小説-フィクション

アイデンティティを考える小説『i(アイ)』 西加奈子、著《読書感想・レビュー》

投稿日:2017年2月13日 更新日:

こんにちは、かのです。
今日は久しぶりに小説です。
語るのがむずかしくってなかなか紹介できてませんでした。(笑)

「この世界にアイは存在しません。」

まず、迫力のある表紙が目に飛び込んできました。
この表紙は、本棚に並べたい表紙だなって思いつつ手に取ったんです。

i 西加奈子、著 読書ノート

「この世界にアイは存在しません。」

入学式の翌日、数学教師は言った。
ひとりだけ、え、と声を出した。
ワイルド曽田アイ。

その言葉は、アイに衝撃を与え、
彼女の胸に居座り続けることになる。
ある「奇跡」が起こるまでは――。

『i/西加奈子、著』帯より引用

本をクルっと裏返すとこの文章が目に入ってきました。
アイという少女が主人公なこと。

そして彼女に対して「この世界にはアイは存在しません」と言った数学教師がいたこと。

彼女はどう感じたのか
どうして数学教師はそれを伝えたのか

この帯は、本文の最初のシーンのことなんです。
最初の数ページを立ち読みして

「最後まで読むしかない」

と結論がでたので、レジにそのまま持って行きました。

ここまで読んで、買ってもいいかもって思った人は是非読んで見てください。
これ以上、未読の方に語るのは野暮ってもんです。

ブログは諸事情により続きますが…
ぜひ、読み終わってからもう一度帰ってきてもらえたらうれしいです。

 

この世界にアイは存在するのか?

主人公のアイちゃんはとっても賢い子です。
彼女は、シリアで生まれ、アメリカで養子として両親に出会い、日本にやってきます。
ご両親も立派な方だと思います。
アイの母国(シリア)について幼いころから伝えて聞かせます。

だからこそ、彼女は
「なぜ自分は誰かの幸せを奪い取ってまで、幸せでいるのではないか?」
ととことん考え続けます。

かの
いや~わたしそこまで悩んだことあっただろうか。

わたしは年相応に、悲劇をみて同情するように「わたしは恵まれている」って思ったり、
キツく叱られれば「うちの子じゃないんじゃないか」とか被害妄想したり

それくらいならあったけどね。

わたしは、間違いなく日本人で、間違いなく父と母の子だ。

だから、そこまで深く深く、考える10代のアイに驚かされた。

『i』は存在するのか?

わたしが存在するってどこをもって言うのだろう。
わたしも、わたしが存在しないことを考えることが最近ある。

たとえば、旦那の仕事関係の人と一緒に飲みに行くことがある。
何度かご一緒しているが、その場では「かの」ではなく、「旦那の奥さん」という立場でしかない。

かの
ちょっとくやしい。

旦那の奥さんとして評価されるのが、あたりまえのことですが…
わたし自身ではなくもどかしい部分があります。

それに比べて、友だちといるときは楽しい。
”わたし”と接してくれるから。

わたしがいない場所が、多いから悩むんだよね。
名前ではなくて、立場でよばれることが社会人になって増えたと思う。

だから、友だちといるとホッとする。
わたしっていう個体をみてくれるから。

ブログも同じかもしれない。
『かの』はわたしとして作り上げているから、
『かの』に対して評価いただくのはすごくうれしい。

だからワードプレスなのかもしれない。

かの
ブログには『かの』が存在する。
それを認めてくださる方々に感謝です。

はじめての西加奈子作品

はじめて、西さんの本を読みました。

すごく、”クール”って言う言葉が似合う作品でした。

いや、主人公はふんわりした女性ですし、かわいらしい登場人物ばかりです。

でも作品全体が、”クール”。

なんか、ついカタカナ語を使いたくなる雰囲気なんですよ(笑)

ストレートに伝わりやすいのかな。
その作風は、恩田陸さんにも、辻村美月さんにもありませんし…。

誰とも違う鋭さがあります。
鋭くってピーンと張り詰めるような空気。

とっても、心地よかったです!

西さんの有名な作品と言えば、アメトークの読書芸人は有名になった『サラバ!』ですね。
ぜひ、読んで見たいなあと思いました。

さいごに

作中で、デモの場面があります。
田舎者のわたしには、それはテレビの中の世界であり、非現実的な部分です。

想像しながら読んでいて、想像の域を出られませんが…

でもこういう風に経験できないことに出会えるのも本の醍醐味だよなあって思いました。

シリア人でアメリカ人で日本人なアイという人物のわたしとはまったく世界観が違いますからね~。

そこが本の面白さですね!

過去の読書ノート

そうだ!読書をしよう【読書論→読書術→読書ノート→ブログへ】

自分の読書への考えをまとめたものです。
この記事投稿の前日に書いたものですので新鮮です(笑)

よろしければ、読んで見てください。

《読書感想・レビュー》虹を待つ彼女/逸木裕、著

すこし雰囲気が近い作品かもしれない。
この作品とは違う、クールさなんですけどね。

どこにたどり着くのかドキドキする一冊です。

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