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雑魚の後には、ラスボスがいるホームドラマ『スロウハイツの神様/辻村深月』《読書感想・レビュー》

投稿日:2017年1月15日 更新日:

こんにちは、かのです。
わたしにとって、安定して好きな文章を書いてくれる作家さんといえば、辻村深月さんです。
いま、4作品を読ませてもらってどれも好き。
じつは、今年中になんとか読みまくって辻村深月ワールド特集をやりたいと企んでいます。

さ、今回はスロウハイツの神様です。

まずはスロウハイツの神様の読書ノート

スロウハイツの神様の読書ノート

上巻と下巻の関係性が絶妙

上巻が単なる下巻の続きではない。これって『東京會舘とわたし(上)旧館 / 東京會舘とわたし(下)新館』にも言えるんだけど...
この人は、上巻と下巻の変わり目をわかって書いてるんだろうかと思うくらい上巻・下巻っていう区切りに意味があるんですよね。

上巻は、最初シリアスって思うくらい劇的なシーンから始まる。

かの
シリアス?!

って思わせたあとは大家の環をやさしく囲む仲間たちを描かれていく。
スロウハイツを舞台にした青春ホームドラマ。
暖かいスロウハイツの毎日が続くように思える…。

それが下巻に向けて変わっていく・・・。

いいことも悪いことも、ずっとは続かないんです。いつか、終わりが来て、それが来ない場合には、きっと形を変容していく。悪いことがそうな分、その見返りとしていいことの方もそうでなければ摂理に反するし、何より続き続けることは、必ずしもいいことばかりではない。望むと望まざるとにかかわらず絶対にそうなるんです。僕、結構知ってます。

迷うから暖かい家から飛び出したくなって…

この場所に居続けていいのかと、迷うことってよくある気がするんですよね。

かの
違う未来もあるんじゃないか

かの
ちがう場所に飛び込んだ方が伸びるんじゃないか

なんてことを思うことがあるんですよね。
だから、同じ環境ってずっと続かない。
卒業がなくても卒業がやってくることってあるんだろうな〜

辻村ワールドにのめり込む

透明人間になれる文章

辻村ワールドは、するりと、自然と滑りこんでしまう。
気が付くと、スロウハイツのなかに透明人間になって見守ってるような気分になってます。

たぶん、とっても読みやすい。

何度も同じ場面を繰り返す気がする。
違う目線での回想が何度も入ってくるのも面白いんだろうな〜
この人の目線からはこんなことが見えてたんだと思わせつつ、そのたびにしっかりストーリーを染みこませる。

どの本もそうだけど、簡単にいうととってもおもしろい。

他の本に繋がるから、何度も読み返すことになる

厳密に続編っていうわけではないんですよ。
でも、スロウハイツの神様ででてくるキャラクターが別の本にも出てくる。

そこでその後や、過去を覗けるのも辻村ワールドの特徴。
だからいま読み返したい本が2冊増えた。

チヨダコーキと黒木さんがでてくる。
その関係性とか、黒木さんの性格とかもう一度読み返してチェックしないと!
たぶん未来の話だと思うんだけど、チョイ役だから前は意識して見てなかったんですよ。
次はチヨダコーキと黒木さんに注目して読まないと!

読み終わってから芹沢さんがこの小説の主人公だと気がついた。
もう一回読みたくなる

あと最後に、いまも辻村ワールドを読んでいる。

これが作中にもタイトルがでてくる、チヨダコーキのデビュー作!
辻村さんが、作中の作家チヨダコーキになりきって書いてる作品です。
いつもの文章より、ちょっと文体が若いのかなと感じます。
青春の一部だけに響く物語がアラサーのわたしに響くのか気になります!

続編じゃないのに、他の辻村作品を読み返したくなるのってこの人の特徴だなと思います。

かの
ついつい、辻村さんにハマってしまう仕組みがほんとうまいなぁ〜

まとめ

上巻も面白けれど、下巻は特に面白かった。
結構欲張りな作品だと思う。

ホームドラマのように淡々と進むのかと思えば修羅場になったり、青春っぽくてステキな場面があったり・・・

最後まで文句無しに面白かった♪
どのキャラクターも愛着が湧いてきて好きになれます。

かの
ほんとはもっとネタバレしたくて仕方ない!!!
続きはスロウハイツでお楽しみください♪

 

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