小説-フィクション

人間くささのある宇宙を舞台にした壮大な大河ドラマ『銀河英雄伝説』【読書感想・レビュー】

投稿日:2017年7月14日 更新日:

こんにちは、かのです。
ちょっと今回は熱く語らせてください。

いまハマってるのは『銀河英雄伝説』、1982年に1巻目が刊行された作品です。
つまりわたしより年上です。それを理由に躊躇していたのですが、むしろ新鮮ささえ感じる!

そして、2018年4月から新しいアニメも始まるらしいです。くわしくは一番最後で…

異なる国・政治・思想・権力・軍事力・発言力…。
さまざまな要因の中で生きるひとりひとりの人間の生き様が一番の魅力でしょう。

未来を描いた、大河。そういえるくらい壮大な宇宙の物語です。

 

銀河英雄伝説とは

■ 物語のはじまり ■血統を重んじる皇帝と貴族の国『銀河帝国』と銀河帝国から脱出し建国された民主主義国家『自由惑星同盟』。
長い年月の中で国内は腐敗していき、150年に及ぶ戦乱は膠着状態になっていた。それらのふたつの国に異なった性質の2人の天才的な英雄が同じ戦場に立ったことで宇宙は動き出す。

物語は、『銀河帝国』『自由惑星同盟』、そして『フェザーン自治領』。
主に3つの舞台、3つの視点ですすんでいく。

最初、3つの舞台の視点移動に慣れるまですこしたいへん。
それさえ慣れると、生きた人々の歴史の裏側の心情まで読み解くような、楽しさがある。

 

 

異なる国の駆け引きと違いがおもしろい!

  • 帝国(銀河帝国)
  • 同盟(自由惑星同盟)
  • フェザーン(フェザーン自治領)

メインは、銀河帝国と自由惑星同盟ですが、そこにフェザーン自治領や地球という国の意志が混ざり合っていきます。
それぞれ、違った文化と政治背景をもつ国同士の駆け引きがおもしろいです。

主な国の特徴

帝国(銀河帝国)

  • ラインハルトが住む国
  • 世襲制の皇帝が納める帝国。
  • 血統を重んじ、貴族と一般市民という階級差がある
  • 専制政治により統治されている。
  • 戦争と世襲により腐敗が進んでいる

 

同盟(自由惑星同盟)

  • ヤンが住む国
  • 帝国からの脱出者により作られた。
  • 民主共和制の国
  • 政治家のための政治が増え腐敗している

フェザーン(フェザーン自治領)

  • 商業惑星国家
  • 帝国と同盟の間を結ぶ回廊の一方に位置する
  • 独立自由商人の国
  • 経済的な影響力が強い

腐敗する権力者

帝国・同盟ともに長い年月をかけて、権力者たちの腐敗が進んでいます。

面白いのは、それぞれの国の性質にあわせてさまざまな策略を巡らした悪い大人が出現してくること。
帝国・同盟で腐敗の性質が異なる所もみどころです。

そしてそれを次代をになうできる若者たち(ラインハルト、ヤンら)が蹴散らしていく爽快感が心地よいです。

帝国貴族の腐敗

生まれたときから無数の特権を享受し、障害のすくない人生をいわば他人の足で歩み、特権を有しない人々を見くだして育ってきた彼らにとって、願望は努力なく実現されるべきものであった。(『銀河英雄伝説2 野望篇』より)

500年続く特権階級である貴族が一般人を統治しています。
能力・努力によらず血統でのみ判断された貴族政治による腐敗は進んでいきます。

あたりまえにあると思っている地位に固執する貴族。
自らが優れていると思っている貴族。

ラインハルトはそういった貴族からの政権奪還を狙います。

同盟政治家の腐敗

「政治の腐敗とは、政治家が賄賂をとることじゃない。それは個人の腐敗であるにすぎない。政治家が賄賂をとってもそれを批判することができない状態を、政治の腐敗というんだ。貴官たちは言論の統制を布告した、それだけでも、貴官たちが帝国の専制政治や同盟の現在の政治を非難する資格はなかったと思わないか」(『銀河英雄伝説2 野望篇』より)

民主主義といいつつ、自分の身分に固執する人々。
安全な場所にいる政治家が、自らの政治の都合による命令を軍に伝えるのは常です。

そのことによりヤンは、常に味方に制約を駆けられた中で戦うことになります。

対照的な二人の英雄

対照的な英雄は、よくあるどちらかが正義でどちらかが悪であるような描かれ方はせず…
敵対しているにもかかわらず、平等に描かれます。

どっちが主人公かわからない…。

そして、両者が出会う事もほっとんどない。
こんな、小説なかなかない気がします。

人間の歴史に、〝絶対善と絶対悪の戦い〟などなかった。あるのは、主観的な善と主観的な善とのあらそいであり、正義の信念と正義の信念との相克である。一方的な侵略戦争の場合ですら、侵略する側は自分こそ正義だと信じているものだ。戦争が絶えないのはそれゆえである。人間が神と正義を信じているかぎり、あらそいはなくなるはずがない。(『銀河英雄伝説2 野望篇』より)

THE 英雄★ラインハルト・フォン・ローエングラム

貴官の勇戦に敬意を表す、再戦の日まで壮健なれ(『銀河英雄伝説1 黎明篇』より)

英雄っぽい英雄です。
容姿からして豪奢な金髪と蒼氷色(アイス・ブルー)の瞳を持つ白皙の美青年という見目麗しい方です。
言葉づかいも、上記のとおり、威厳を感じることが多いですね。

軍人としては「常勝の英雄」と言われ、巧みな戦術で戦果をあげています。
カリスマ性をもち、優れた人材が周りにあつまってきます。

そして、野望はデッカく宇宙統一。

ただ、ちょっと弱い部分も見え隠れします。
それを理解し支える周囲の人々も魅力的です。

かの
個人的には、キラッキラしすぎてまぶしい!

覇気のない英雄・ヤン・ウェンリー

「もうすぐ戦いがはじまる。ろくでもない戦いだが、それだけに勝たなくては意味がない。勝つための計算はしてあるから、無理をせず、気楽にやってくれ。かかっているものは、たかだか国家の存亡だ。個人の自由と権利にくらべれば、たいした価値のあるものじゃない……それでは、みんな、そろそろはじめるとしようか」(『銀河英雄伝説2 野望篇』より)

このヤンという人は、軍人志望ではなく、歴史家になりたかったんです。
ところが、金銭的事情で同盟軍士官学校へいくことになり、卒業後そのまま軍人へ
ヤン本人としては非常に不本意ながら戦果をあげるたび順調に昇進していくのです。

そう、昇進することを望まない…。
年金生活でだらだらすることが目標な、なんともヤル気のない英雄です。

英雄とは思えない生活力のなさ、だらだら感。
だけどやるときはやっちゃうヤン!

「不敗の名将」「魔術師(ミラクル)ヤン」とか呼ばれる彼は、どんどん大きくなる自分の虚像に悩みながらも戦い続けます。

「普通だったら、とっくに、自分を見失って、自信過剰になって、客観的な判断ができなくなってますよ、きっと」  ヤンは小首をかしげるようにして聞いていたが、不意に苦笑した。 「面とむかって言わないでくれ。つい、そうか、自分は偉いのか、と納得してしまいそうになる」

かの
憎めないヤン提督が大好きです。

 

 騙されたと思って読んでみて!面白いから!

古い?むしろ新鮮!

数年前、友人に勧められたとき、自分の生まれる前の作品ということで…
古さに二の足を踏んで、後回しにしていたんです。
実際読んでみると、古さはほとんど感じません。
たまにワードプロセッサーという言葉をみて、「あー。その時代の作品だっけ、コレ」と思い出すくらい。

かの
新鮮ささえ感じるくらい、面白いんです!

ふしぎな描かれ方…

帝国・同盟の対立を平等に描く、不思議な書き方をされています。
敵なのか、味方なのか、読んで行くうちにそんなの関係なくなってくる謎の感覚があります。

もちろん汚い権力に固執する人々は悪ですが…

だいたいガンダムでもなんでも、正義と悪の描き分けがあるとおもいます。それがない!
ラインハルトが悪になることもなければ、ヤンが悪になることもないんです。

たしかに、「それぞれに正義がある。」と言う話はなくはないけど…なんか斬新でした。
この話では、ほんとうにどちらにも思いと背景があって突き進んだ結果、激突してしまう。
描かれる人々の心情表現の豊かさもあり、すごく人間らしく思えました。

人の弱さ、強さ。組織の脆さ。
それらが数珠つなぎのように、宇宙はどんどん動かしていきます。

ふしぎなSF小説です。

 

小説にのめり込み過ぎて今では…

最近、ずっと銀河英雄伝説を読むか聞くか観てるので…
ニュースをみながらや、嫌なことがあると

かの
はぁー。この貴族が!!

という思考回路になっております。なかなか銀河英雄伝説の脳みそになっています(笑)

今日も明日もまだまだ銀河に旅立てそうです。(現在7巻読んでます)

ぜひ、面白いので読んでみて下さい!

 

【付録】読みやすくするためのメモ書き

小説版を読んでると場面が変わった瞬間どの陣営のセリフか理解するのに苦労しました…。
読み進めれば平気なんですけれど…。
ヒント程度に人名から、どこの話かわかるようにリストアップしておきます。

上記の各国の特徴と合わせて、たのしんでください!

登場人物

途中で在籍が変わる場合は初期の在籍国に入れています。
よく登場する呼び名で書きます。くわしくはWikiをご覧ください。

帝国(銀河帝国)

首都:オーディン

  • ラインハルト・フォン・ローエングラム
  • キルヒアイス
  • ヒルダ
  • ミッターマイヤー
  • ロエンタール
  • オーベルシュタイン
  • ブラウンシュヴァイク公爵
  • リッテンハイム
  • メルカッツ
  • リヒテンラーデ
  • ルドルフ1世

同盟

首都:ハイネセン

  • ヤン・ウェンリー
  • ユリアン
  • ヨブ・ドリューニヒト
  • ジェシカ・エドワーズ
  • キャゼルヌ
  • シェーンコップ
  • ポプラン
  • フレデリカ・グリーンヒル
  • クブルスリー
  • ビュコック
  • ドワイト・グリーンヒル
  • アーレ・ハイネセン

フェザーン(フェザーン自治領)

  • ルビンスキー
  • ルパート・ケッッセルリンク
  • ポリス・コーネフ

アニメも名作です。

アニメも並行してみています。
アニメと一緒に読むと理解しやすいかも!

そして、アニメ自体もすごく評判がいいのでおすすめです。
こちらも絵の古さはあるものの、味だと思ってしまえば今見ても遜色はありませんでした^^

2018年4月 新作アニメ化予定!

2018年4月に新しい銀河英雄伝説のアニメがはじまるらしいです!
だいぶみなさんイケメン化されたように思いますね 笑

でもPVを見る限り、壮大そうです。いや、ほんとう今までにないくらい壮大にやってほしい!お願いだから!!!
クラウドファンディングで制作費募集とかしてくれたらお金投入したいくらいですよ。

かの
新作アニメに向けて、読んだことない人は予習!
読んだことある人は復習をしとかなくっちゃ!

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